ColendのLoop Strategyは、COREをstCOREへ変換して預け、そのstCOREを担保にCOREを借り、同じ処理を繰り返す機能です。単純なステーキングではなく、借入によって総ポジションを拡大するレバレッジ戦略です。
この記事では、2026年8月2日に確認したColendの公式UIと公式資料をもとに、Loopの仕組み、Health Factor、清算、Unloop、stCOREの償還を整理します。表示される利率や条件は変動するため、特定のAPY、LTV、清算閾値、ループ回数は固定掲載しません。
結論:Loop Strategyは借入を使うレバレッジ戦略
Loopでは、stCOREの預入額だけでなくCOREの借入残高も増えます。ループ回数を増やすほどstCOREへの総エクスポージャーは大きくなりますが、同時に借入利息、清算への感応度、複数コントラクトへの依存、終了時の処理量も増えます。
表示APYは確定利益ではありません。stCORE側の報酬や供給金利が、COREの借入金利、実行・解除コスト、価格・オラクル評価の変化、清算による損失を上回るとは限らず、純損益がマイナスになる可能性があります。
重要: Loopは借入とスマートコントラクト操作を伴います。利用を推奨する記事ではありません。公式UIで最新条件とHealth Factorを確認し、ウォレットに表示される接続先、ネットワーク、トークン、数量、承認、署名内容を理解できない場合は実行しないでください。
Colend Loop Strategyの現在
2026年8月2日時点で、Colendの公式Loopページには「CORE - stCORE」のLOOP Strategyが公開されています。ウォレット未接続の画面で、次の流れとLoop・Unloopの導線を確認しました。
- COREからstCOREを生成する
- stCOREをColendへ預け入れる
- stCOREを担保としてCOREを借りる
- 借りたCOREから再びstCOREを生成する
- 指定した回数に応じて預入と借入を繰り返す
公式UIは、Loopが複数のスマートコントラクトと連携する処理であり、Colendが外部プロトコルをすべて所有するわけではないことも示しています。画面上のAPY、金利、利用可能額、ループ回数、手数料などは動的情報として扱い、実行時に再確認してください。
Core MainnetやMetaMaskの設定は、MetaMaskにCoreチェーンを追加する方法を参照してください。Core上で資産を扱う前の全体像は、Coreの始め方で確認できます。
Loop Strategyの仕組み
1. COREからstCOREを生成する
stCOREは、ステーキングされたCOREを表すERC-20の流動性トークンです。Core DAOの公式資料では、ステーキング報酬はstCOREとCOREの変換比率に反映され、変換比率は固定1対1ではないと説明されています。
2. stCOREを担保として預け入れる
生成したstCOREをColendへ供給し、借入の担保として使います。預入はウォレット内で保有することとは異なり、Colendのレンディングコントラクトを利用する操作です。初回操作ではトークン承認が必要になる場合があります。
3. COREを借り入れる
預けた担保をもとにCOREを借りると、返済すべき債務と借入利息が発生します。借入利率は需給などで変動するため、実行時だけでなくポジション保有中も確認が必要です。
4. 借りたCOREで処理を繰り返す
借りたCOREから再びstCOREを生成して預け、その担保をもとにCOREを借ります。元本そのものが増えるのではなく、預入と借入を積み重ねて総ポジションが拡大します。
ループ回数を増やすと何が変わるか
ループ回数を増やすと、一般に次の項目が増えます。
- stCOREへの総エクスポージャー
- Colendへの総預入額
- COREの借入残高と借入利息
- Health Factorの変化に対するポジションの感応度
- stCORE、Colend、オラクルなど関連コントラクトへの依存
- Unloopや返済で処理するポジションとコスト
ループ回数を増やしても、利益の増加は保証されません。特定の回数を一般的な正解として扱うこともできません。公式UIに表示される取引概要、借入額、Health Factor、費用をその都度確認する必要があります。
表示APYと実際の損益を分けて考える
Loopの損益を確認するときは、少なくとも次を分けて考えます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| stCOREのステーキング報酬 | stCOREとCOREの変換比率へ反映される部分 |
| Colendの供給金利 | stCOREを預け入れることで生じる変動金利 |
| COREの借入金利 | 借入残高に対して増える変動コスト |
| インセンティブ | キャンペーンや配布条件がある場合の一時的な要素 |
| 実行・解除コスト | ガス代、Loop、Unloop、返済、必要な承認などのコスト |
| 価格と評価 | stCOREとCOREの市場価格、変換比率、オラクル評価の変化 |
| 清算 | 担保の一部を失う可能性を含む損失 |
概念上の確認項目は、次のように整理できます。
stCORE側の報酬・供給金利・インセンティブ
- CORE借入金利
- 実行・解除コスト
- 価格変動や清算による損失
これは収益計算式ではなく、見落としを防ぐための整理です。表示APYは将来の受取額を保証せず、借入金利やコストを差し引いた純損益とは一致しない場合があります。過去のキャンペーン倍率や利率も、現在の条件として利用できません。
Health Factorと清算
Health Factorは、担保と借入の関係からポジションの安全余裕を示す指標です。値が低下して1に近づくほど清算までの余裕が小さくなります。Colendの公式資料では、Health Factorが1未満のポジションは清算対象になり得ると説明されています。
清算では、第三者が債務の一部または全部を返済し、その対価として担保の一部または全部を取得できます。そのため、利用者は預けたstCOREの一部を失う可能性があります。
Health Factorには、担保と借入資産の価格、オラクル評価、増加する借入利息、プロトコルのパラメータ変更などが影響する可能性があります。現在の値が1を上回っていても、将来の安全を保証しません。ループ実行後も公式UIで継続的に監視し、現在のLTVや清算条件を確認してください。
Loop実行前に確認する項目
- URLが
app.colend.xyzで、意図したCore Mainnetへ接続しているか - COREからstCOREへ変換する数量と、stCOREの変換比率
- stCOREの総預入額、COREの総借入額、借入金利
- Loop後のHealth Factorと清算条件
- ガス代、承認、Loop・Unloop・返済に必要な処理
- ウォレットに表示されるコントラクト、トークン、数量、承認上限、署名内容
- 一時的なインセンティブを除いても、想定する損失を許容できるか
- 終了方法と、必要な返済資産を用意できるか
トークンの無制限承認は、少額の操作でも承認先に関するリスクを残します。承認額と承認先を確認し、不要になった承認は信頼できる手段で見直してください。
Loopを終了する方法
Loopの終了では、Colend側のポジションを解消する処理と、stCOREをCoreの公式機能でCOREへ償還する処理を分けて考えます。
Unloop
Colendの公式Unloopガイドは、次の流れを案内しています。
- Unloopを選ぶ
- Unloopする数量を選択する
- Withdrawを選ぶ
- ウォレットで署名・確認する
ウォレット未接続の確認では、Unloop後の最終受取資産、債務を返済する内部順序、最小数量、手数料、スリッページ、一部解除と全解除の差、stCORE償還が同時に行われるかまでは確認できませんでした。実行前に公式UIの取引概要で、返済額、受取資産、手数料、処理後のHealth Factorを確認してください。Unloopすれば直ちにCOREが戻るとは限りません。
COREの借入を返済する
借入は全額または一部を返済できます。借入利息は時間とともに増える可能性があるため、全額返済ではトランザクション処理中の利息を含めて不足しないよう、公式UIの最新額を確認します。最初の返済でトークン承認が必要になる場合もあります。
返済と担保の引き出しは同じ操作ではありません。返済後に引き出せる担保の範囲とHealth Factorを確認し、ウォレットに表示される処理を個別に確認してください。
stCOREをCOREへ戻す
ColendのUnloopと、CoreのstCORE償還は別の処理です。Unloop後にstCOREを受け取り、COREへ戻す必要がある場合は、Core DAOの公式stCORE画面と手順に従います。
Core DAOの公式資料では、stCOREの償還を開始してからCOREを引き出すまで、2026年8月2日時点で7日の待機期間が案内されています。この期間は将来変更される可能性があります。UnloopがstCORE償還を同時に実行するかはウォレット未接続では確認できないため、処理順を推測せず、公式UIの取引概要で確認してください。
主なリスク
- 清算: Health Factorの低下により、第三者が債務を返済し担保を取得する可能性があります。
- 借入金利: 変動金利により債務が増え、stCORE側の報酬や供給金利を上回る可能性があります。
- 価格・オラクル: stCOREとCOREの市場価格やプロトコル上の評価が、理論的な償還価値と常に一致するとは限りません。オラクルの不具合や急な変動も清算へ影響し得ます。
- スマートコントラクトと外部依存: LoopはColendのレンディングコントラクトだけでなく、stCORE関連など複数のコントラクトと連携します。連携先の不具合や想定外の挙動もポジションへ影響する可能性があります。
- 承認・署名: 悪意ある承認先、無制限承認、偽サイト、署名内容の誤認により資産を失う可能性があります。
- 終了時の条件: ガス代、返済額、流動性、一時的な機能停止、パラメータ変更により、希望する時点や条件で解除できない場合があります。
- 取り消しの難しさ: 送信済みのオンチェーントランザクションは原則として取り消しが困難です。
監査情報の扱い
Colendの公式監査ページには、2025年5月5日付でVerichainsによる「Loop Core」対象の監査記録が掲載されています。2026年8月2日に監査一覧の記載を確認しましたが、リンク先から当該レポート本文を確認できなかったため、脆弱性の有無や対応状況は評価していません。
監査は特定時点・特定範囲の確認です。現在のUI、すべての外部コントラクト、オラクル、監査後のコード変更、利用者の操作を無条件に保証するものではありません。Colendの公式免責事項も、監査がリスクを完全には排除しないと説明しています。
まとめ
Colend Loop Strategyは、COREをstCOREへ変換して預け、COREを借りる処理を繰り返すレバレッジ戦略です。ループ回数が増えると総ポジションと借入残高が拡大し、借入利息、清算、価格・オラクル、複数コントラクト、解除コストの影響も大きくなります。
検討するときは表示APYだけで判断せず、供給金利と借入金利、実行・解除コスト、Health Factor、Unloop後の受取資産、stCORE償還の待機期間を分けて確認してください。条件やUIは変更されるため、署名前に公式情報と取引概要を再確認する必要があります。