「Core DAO」という言葉は、ブロックチェーン本体、トークン、開発チーム、コミュニティのどれを指しているのかが混ざりやすい呼称です。「Coreを運営する分散型組織」と一言でまとめられることが多いのですが、それだけでは、誰が何を決めていて、どこまでがコミュニティの権限なのかが分かりません。

この記事では、2026年8月5日時点のCore公式ドキュメント、公式FAQ、ホワイトペーパー、公式サイトのガバナンスページで確認できる範囲に絞って、Core DAOという呼称が何を指すのか、Core blockchainやCOREトークンとどう違うのか、そして現在のガバナンスがどの段階にあるのかを整理します。

Core全体の位置付け(EVM互換のLayer 1であることやBTCFiとの関係)はCoreとは?Bitcoinと連携するEVM互換Layer 1の仕組み、バリデータ選出の仕組みはSatoshi Plusとは?DPoW・BTCステーキング・DPoSの仕組みを解説で説明しています。この記事は組織とガバナンスに絞ります。

当サイトはCore DAOの公式サイトではありません。ガバナンスの段階、投票の対象、運用方法は変更される可能性があるため、実際に参加を検討する場合は公式情報で再確認してください。

結論:Core DAOとCore blockchainは同じものではない

公式資料から確認できる範囲をまとめると、次のようになります。

  • Core blockchainは、バリデータがブロックを生成・検証するLayer 1ネットワークそのものです。
  • Core DAOは、そのエコシステムの開発やガバナンスに関する文脈で使われる呼称です。
  • COREは、Core blockchainのネイティブトークンです。
  • ホワイトペーパーには、完全分散化に至るまでネットワークを監督する主体としてCore teamという呼称が登場します。
  • 公式FAQにはCore Foundationという呼称も登場しますが、Core DAOとの法的・組織的な関係までは説明されていません。
  • 現行の公式ドキュメントは、現在を「部分的なオンチェーンガバナンス」の段階と説明しています。完全なオンチェーンガバナンスは将来の段階として位置付けられています。

つまり「DAO」という名称は、現時点で運営が完全に自律化・分散化していることを意味しません。名称と、実際のガバナンスの分散度は分けて考える必要があります。

Core DAO・Core blockchain・COREの違い

混同しやすい呼称を、公式資料で確認できる範囲で区別します。

用語 この記事での扱い
Core blockchain バリデータがブロックを生成・検証するLayer 1ネットワーク。公式ドキュメントはEVM互換のLayer 1と説明
Core DAO 公式資料で、Coreエコシステムの開発・ガバナンスに関わるDAOとして使われる呼称
CORE Core blockchainのネイティブトークン。ガス代、バリデータの担保、ステーキング・委任、ガバナンス参加に使われる
Core team ホワイトペーパーで、完全分散化に至るまでDAOを通じてネットワークを監督すると記載されたチーム
Core Foundation 公式FAQや公式サイトで使用される呼称。今回確認した資料だけではCore DAOとの法的・組織的関係を確定できない
個別dApp Core上で第三者が開発・運営するDEX、レンディング、Vault等。Core DAOそのものではない

この表は、今回確認した公式資料に登場する呼称を整理したものです。組織図や指揮命令関係を示すものではありません。各主体の関係については、後述する「Core DAOについて断定できないこと」も併せて確認してください。

そもそもDAOとは何か

DAOは、提案や投票などを通じて意思決定へ参加する仕組みを持つ組織・ガバナンス形態の総称です。ただし、分散度、オンチェーン化の範囲、運営チームの権限はDAOごとに異なります。

一般的なDAOの理想像として語られる次のような説明は、個別のDAOの現状をそのまま表すものではありません。

  • 管理者が一切存在しない
  • 参加者全員が平等に決める
  • すべて自動で運営される
  • 法人を必要としない
  • 絶対に改ざんされない
  • 透明性が完全に保証されている

ある組織が「DAO」と呼ばれているかどうかと、実際にどこまでの決定が誰の手にあるかは、別々に確認する必要があります。Coreの場合、その現状は次のガバナンス段階の説明で確認できます。

公式資料でCore DAOはどう定義されているか

Core公式ホワイトペーパーのNaming Conventionは、Core DAOを「Core blockchainエコシステムの開発を担う分散型自律組織(DAO)」という趣旨で説明しています。同じ箇所で、ブロックチェーン本体は「Core」または「Core blockchain」、ネイティブトークンは大文字の「CORE」と表記して区別すると定められています。

この定義について、次の点を同時に押さえてください。

  • これは公式ホワイトペーパー上の定義であり、法人格や組織形態を説明したものではありません。
  • Core DAOはCore blockchainそのものではありません。
  • Core DAOはCOREトークンそのものではありません。
  • Core DAOは、Core上のすべてのdAppを運営しているわけではありません。
  • 「DAO」という名称だけで、完全に自律的・完全分散化された現在の運営を意味しません。
  • 今回確認した公式資料からは、法人格、所在地、契約主体、雇用主体、法的責任主体を確定できません。

なお、公式ドキュメントは「Core DAO Official Documentation」という名称で公開され、ガバナンスの説明もCore DAOの文脈で行われています。呼称としての使われ方と、組織としての実態は分けて読む必要があります。

Core teamとCore DAO

Core公式ホワイトペーパーのガバナンスの説明には、Core teamという呼称が登場します。ホワイトペーパーは、Core teamがDAOを通じてネットワークを監督するとしたうえで、その責任範囲の例として次を挙げています。

  • バリデータ数の変更
  • ガバナンスパラメータの調整
  • ブロック報酬と取引手数料のうちバーンされる割合の設定

ホワイトペーパーは、段階的な分散化の初期にはこうした監督が必要であるという趣旨で、この体制を説明しています。ただし、次の点に注意してください。

  • これは「現在もすべてが同じ方法で管理されている」と断定する根拠にはなりません。
  • 現行の公式ドキュメントでは、これらのうち一部のパラメータがオンチェーン投票の対象になったと説明されています。
  • Core teamの現在の構成員、法人、契約関係、具体的な権限の一覧は、今回確認した公式資料からは確認できません。

この記事では、Core teamを「公式ホワイトペーパー上に記載された呼称」として扱い、現在の権限範囲を推測して補いません。

Core Foundationとの関係

Core公式FAQには、Core Foundationという呼称が登場します。FAQでは、Core Foundationがオープンソースでのプロジェクト構築を支持しており、そのためCoreのコードベースが公開されている、という文脈で言及されています。

今回確認できたのは、次の範囲です。

  • 公式資料にCore Foundationという呼称が登場する。
  • 公式FAQでは、オープンソースコードの公開に関する文脈で登場する。
  • Core DAO、Core blockchain、Core Foundationは、公式資料上で別々の呼称として使われている。

一方、次は今回確認した公式資料からは確定できませんでした。

  • Core FoundationとCore DAOの法的・組織的な関係
  • どちらがどちらを所有・支配しているか
  • 権限や責任の分担
  • 開発、運営、資金管理をそれぞれどこが担っているか

この記事では、Core FoundationとCore DAOを同一組織とは扱いません。逆に、明確に別法人であると断定することもしません。いずれも今回の資料では未確認です。

Coreの段階的ガバナンス

Core公式ドキュメントは、Coreのガバナンスをprogressive decentralization(段階的な分散化)として説明しています。ネットワーク立ち上げに必要な中央集権的な状態から始め、段階的にコミュニティへ制御を移していく設計です。

重要なのは、「段階的に分散化する」は「すでに完全に分散化されている」という意味ではないという点です。

Stage 1:オフチェーンガバナンス

  • 提案と投票をオフチェーンで行う段階です。
  • Core Improvement Proposals(CIPs)という形式で提案が扱われます。
  • 公式ドキュメントは7日間の投票期間に言及しています。
  • 現行ドキュメントでは、初期の段階として説明されています。

Stage 1.5:中間段階

  • オフチェーンガバナンスと部分的なオンチェーンガバナンスの中間として説明されています。
  • 制度や運用を学習・調整し、オンチェーン化の土台を整える段階と位置付けられています。

Stage 2:部分的オンチェーンガバナンス(現在)

  • 現行の公式ドキュメントが「現在(Current)」と明示している段階です。
  • 一部の固定パラメータを、オンチェーン投票で直接変更できると説明されています。
  • 経済パラメータの一つである「mパラメータ」がコミュニティの制御下にあるとされています。
  • ただし、すべての意思決定がオンチェーン化されたわけではありません
  • すべての運営権限がコミュニティへ移ったわけでもありません

Stage 3:完全オンチェーンガバナンス(将来)

  • 完全なオンチェーンガバナンスは、将来の段階として説明されています。
  • 公式ドキュメントは、詳細を現在も検討中としており、提案の提出に担保を求める案などが挙げられています。
  • この記事では、Stage 3が完了しているとは説明しません。実装時期も予測しません。
  • 完全分散化が確定していると説明することもしません。

公式資料間の時点差について

公式の現行ドキュメントは現在を部分的オンチェーンガバナンスの段階と説明しています。一方、以前のホワイトペーパーにはオフチェーン段階を「現在」とする記述が残っており、資料の作成時点が異なります。また、公式サイトのガバナンスページには、DAOのライフサイクルとして「非常に初期の段階」であり、完全な分散化までには長い道のりがあるという趣旨の表現があります。

この記事では、現在の状態については現行の公式ドキュメントを優先し、ホワイトペーパーは設計方針と当時の説明として扱っています。資料の差を推測で埋めることはしていません。

CORE保有者が参加できること・できないこと

公式ドキュメントは、CORE保有者がプロトコルのガバナンス上の意思決定やパラメータ変更に参加すると説明しています。ただし、次はそれぞれ別の行為です。同じものとして考えないでください。

行為 内容
COREを保有する ウォレットにCOREを持っている状態
COREをステーキング・委任する バリデータへ委任し、Satoshi Plusの選出に反映させる操作
投票権を持つ ガバナンスの投票に参加できる状態
実際に提案へ投票する 個別の提案に対して意思表示する行為
提案を提出する CIPなどの形式で提案を出す行為
プロトコル変更を実装する 決定内容を実際のコードやパラメータへ反映する作業

そのうえで、次は断定できません。

  • CORE保有者なら誰でも同じ投票権を持つ
  • 1人1票である
  • 保有者がすべての変更を直接決める
  • 投票結果が自動的にコードへ反映される
  • COREを買えばCore DAOの所有者になれる
  • COREを持てば利益分配を受けられる
  • COREが株式や社員権を表す
  • 投票に参加すれば報酬が得られる

投票力がどのように算定されるかについては、今回確認した公式ドキュメントでは具体的な計算方法を特定できませんでした。実際に参加する場合は、その時点の公式仕様を確認してください。この記事は、COREの購入も投票への参加も推奨しません。

ガバナンスの対象になり得る項目

現行の公式資料で、オンチェーン投票やCIPの対象として説明されている項目には、次のようなものがあります。

  • 一部の経済パラメータ(mパラメータなど)
  • ネットワークの固定パラメータ調整
  • 取引手数料・ブロック報酬のバーン割合
  • アクティブなバリデータ集合の拡大
  • Core Improvement Proposals(CIPs)を通じたパラメータの追加・削除

これらは「対象になり得る項目」として挙げているもので、現在の設定値ではありません。次の数値は、変動するか、公式資料での基準日を確認できないため、この記事では掲載しません。

  • 現在のバーン割合
  • 現在のSatoshi Plusの重み
  • 現在のバリデータ数
  • 現在のTreasury残高
  • 現在の投票参加率、投票数、進行中の提案数
  • 現在のCORE保有者数、DAOメンバー数

正確な現在値が必要な場合は、公式ドキュメントとCore公式のガバナンス情報で確認してください。

Core DAOについて断定できないこと

今回確認した公式資料からは、次を断定できません。

  • Core DAOがCoreを運営する完全な分散型組織であること
  • Core DAOがコミュニティだけで運営されていること
  • Core DAOに中心的なチームが存在しないこと
  • Core DAOとCore Foundationが同じ組織であること
  • Core DAOがCore関連のすべてのサービスを管理していること
  • Core DAO、Core team、Core Foundationの間の法的・組織的な関係や権限分担
  • Core DAOの法人格、所在地、契約主体、法的責任主体
  • Core DAOがCore上の資産やdAppの安全性を保証すること

これらは「存在しない」という意味ではなく、今回確認した公式資料の範囲では確認できなかったという意味です。

主なリスクと注意点

  • 移行中のガバナンス: ガバナンスは段階的な移行の途中です。現在の段階や投票対象は変更され得ます。
  • 資料の時点差: 公式資料の間に作成時点の違いがあります。古い資料の記述を現在の状態として読まないでください。
  • オンチェーン化の範囲: すべての意思決定がオンチェーンで行われているわけではありません。投票の対象外となる判断、実装、運用が存在し得ます。
  • 投票権の集中: 保有量に応じた投票の仕組みでは、大口保有者や委任の構造が結果へ影響し得ます。
  • 投票参加率: 参加率が低い状態では、少数の参加者が結果を左右する可能性があります。
  • 内容を理解しない署名・投票: 提案の内容を理解しないまま署名や投票を行うと、意図しない結果や資産上のリスクにつながります。
  • 偽サイト: 偽のガバナンスサイト、偽Snapshot、偽フォーラム、偽サポートに注意してください。接続先は公式情報から確認してください。
  • ウォレット接続と署名要求: ウォレットを接続する前に、接続先、要求されている署名内容、ネットワークを確認してください。
  • 決定と実装は別: ガバナンスで決定されたことと、実際に実装・反映されることは同じではありません。
  • 範囲の違い: Core DAOの決定は、Core上の個別dAppやBridgeの安全性を保証しません。
  • 組織関係の推測: Core DAO、Core team、Core Foundationの法的関係を、公式資料の範囲を超えて推測しないでください。

まとめ

Core DAOは、公式資料の中で、Coreエコシステムの開発やガバナンスに関わるDAOとして使われている呼称です。Core blockchainそのものでも、COREトークンそのものでもありません。

ガバナンスはprogressive decentralizationという設計で、現行の公式ドキュメントは現在を部分的なオンチェーンガバナンス(Stage 2)の段階と説明しています。一部の固定パラメータはオンチェーン投票の対象ですが、すべての意思決定がオンチェーン化されたわけでも、すべての権限がコミュニティへ移ったわけでもありません。完全なオンチェーンガバナンスは将来の段階として位置付けられています。

また、ホワイトペーパーに登場するCore team、公式FAQに登場するCore Foundationについては、呼称の存在と言及の文脈までは確認できるものの、Core DAOとの法的・組織的な関係は今回の資料では確認できませんでした。「DAO」という名称と、実際のガバナンスの分散度は、分けて考えてください。

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